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| 07月 | 20日 | デジハリ講座行ってきました！ |
Diary CGI：nicky!
Skin：くろねこの素材缶
原稿まっただなかではありますが、「監督とプロデューサーが語る映画『劇場版 戦国BASARA −The Last Party−』ができるまで」に行ってきました！
ムックやら雑誌やらで既出の情報もちょこちょこありますが、せっかくメモったので自分の記録も兼ねて書き起こしてみました。脳内補完が多少なりとも入ってますし、ニュアンスの違い等もあると思いますんで、雰囲気だけ掴んで頂ければ。
メモに貼ろうと思ったけど重くて開かないのでとりあえずこちらに。推敲はメモに貼るときに出来たらします…。
長いので畳みます
■会場とか
ロビーからすぐの、少し広めの教室という感じ。3人掛けの机×8列が3島、あと窓際に2人掛けの机が6列で多分満席でした。
最後尾に椅子だけいくつか足されて計90人弱ってところかと。
前方に大きな壁掛けスクリーン、向かって右端に司会の方(デジハリの講師さん)、左に野村監督と丸山プロデューサーという配置。
開場前からずっとBASARAのBGMが流れててなんとなくテンションがあがる(笑)
監督とプロデューサーの入場前に、劇場版の予告映像が流れて、それから拍手でお二人をお出迎えしました。
■まずはそもそものアニメ化について聞かせてください
※このとき「原作のゲーム持っている方どれくらいいますか？」と聞かれて場内ほぼ全員挙手(笑)
（丸山P）
・2008年、丸山PとIGの方が別の案件で居酒屋で打ち合わせをした際、IGの方から「最近なにかアニメ化したい原作とかありますか」と聞かれて「戦国BASARやってみたい」→「ウチもやってみたいと思ってたんです！」で盛り上がり、もともとの打ち合わせの件そっちのけでひたすらBASARAの話で盛り上がった。
・居酒屋で出た仕事話はたいてい翌朝にはなかったことになってるが、今回はそうしたくなくて丸山PからIGへ電話をかけて確認した。
・やはりやりたい！とのことでカプコンに話を持っていくことになった。
■では劇場版については？
（丸山P）
・劇場版は弐期の後半で話が出て、ざっくりした公開予定などを監督に持っていった。
(監督)
・弐期の製作でてんやわんやの時期だったので、劇場版は別班でやるのかと思って最初は他人事みたいに聞いてた(笑)
・でもこの段階で新規の人が入ってやるのはスタッフもその人もきついだろうということになって腹を括った。
（丸山P）
・ラストパーリィと銘打って、アニバサのひとまずの集大成にすると決めたからには、あまりプロデューサー側から注文はつけなかった。IGで"祭"をやってくれればいいと思った・
(監督)
・弐期最終回のV編(最終編集)で予告をつける段になって、「ああほんとにやるんだ…」と思った(笑)
・むとうさんとどういう話にするか打ち合わせ
・キャラが非常に多いのでちゃんとストーリーを作ると膨大な時間になってしまうのは分かってたし、最初のうちは「お祭りだし、天下一武闘会開いてみんなでNo.1決めようぜ！」みたいなノリでいいんじゃね？と話してた。
・でもだんだんそうもいかなくなってきて、改めて問題になったのが弐期で秀吉を政宗が倒してしまったこと。
・そこからゲームの３と違う前提のストーリーをどうやって作っていくかという流れになった。
（丸山P）
・３は分岐するので、「これが公式のストーリー」と言えるものがない。逆にその分アニメでやれる自由度は高く、やりがいはあったと思う。
■映画化で楽しかったことは？
(監督)
・フィルムテスト（２種類作られたフィルムから、色合いなどを見ていい方を選ぶ）など、映画ならではの経験が出来た
・テレビ放映と違って、観ている人の顔・反応を直に確認することが出来る
■ビジネス的なポイントなどは？
（丸山P）
・22スクリーンで2.5億・18万人いった。このスクリーン数では破格の数字で、皆さんに本当に感謝してる。
・並み居る大作を押さえてスクリーンアベレージで1位を取った。
・おかげで長く上映することが出来るようになった。
・絶叫ナイトも大変好評を頂いている
※ここで「絶叫ナイトって？」「あ、説明が必要ですかね」「ていうか行ったことある人いますか？」→大勢挙手の流れ再び(笑)
一応、ということで丸山Pが映画の新しい鑑賞方法で〜と一通り説明。
(監督)
・サイリウムが本当にすごくて、政宗様(何故か様づけ)の六爪で六本持ってるひととか、幸村の武器とか、日輪作ってるひととか、回を重ねるごとにグレードアップしていた
・客として見に行ったら何故か挨拶させられた。・嬉しかったり恥ずかしかったりで汗だくだった(笑)
■実際に使用された素材をいろいろ紹介してください
・映画の原画� �Aパート：三成が政宗のところへ吹っ飛んで来るシーン)
・映画の原画�◆�Fパート：信長が政宗に攻撃されて雄叫び上げるシーン）
・メインビジュアルの原画(天海様の顔を背景にしたさなだて・関ヶ原の絵)
・絵コンテ(原画と同じく、三成が政宗のところへ吹っ飛んで来るシーン)
…を、スクリーンに映し出して主に監督がいろいろと説明してくれました。
まずは原画� ８恐茲鮴照�鉄也さん、作監を黄瀬和哉さん、総作監を大久保さんが担当。端っこで死んだ振りしてるもがみんを監督がいちいち「あ、ここに最上がいますね」と言うのがちょっと面白かった(笑)
三成の目がドアップになるカットが、西尾さん原画(ぎょろ目でちょっとコミカルぽい)→黄瀬さんの修正(目が細くなってだいぶかっこよさげ)→大久保さんの修正(目と口あたりに微修正でさらにかっこよく)と時系列で変わってゆくのを通して見せて貰いました。はーなるほどー…て感じで面白かった！ちなみに黄瀬さんは超ベテランなので、黄瀬さん担当のところは大久保さんも殆ど手を入れてないとか。監督は時間的な問題で、作画についてはラッシュ時点までは各パートの演出担当にチェックを任せ、ご自身はラッシュ上がってからのチェックのみ行ったそうです。
それから絵コンテの紹介。原画�，汎韻献掘璽鵝Ｅ�初は4秒18コマが修正後、22コマに変更。
今回はほんとに作画に力が入ってて、中割りもあまりなくて、原画の量が非常に多く、２センチくらい厚みがあったと監督談。
それにしてもこの絵コンテ、かなりしっかり描き込みがしてあって、「早くそれをそのまま本にするんだ…！」と心のなかで叫びました。
次に原画�◆４篤弔桓�身が原画を担当されたシーン。マントとか髪がぶわーっとなるシーンなので、なびきとかブレだけを描き出した原画もありました。光で処理してあまりくっきり見えなくなるシーンなので…とちょっと照れくさそうだった監督(笑)
あまり時間かけない方だそうで、所要日数はレイアウト2日・原画2日。ちなみに西尾さんはだいたい4〜5日くらいかけるそうです。
今回は本当に時間がなかったので、監督も動画やら貼り込みやら出来ることはなんでもやったとのこと。
最後にメインビジュアル。大久保さんの線画（さなだてと関ヶ原は別パーツだった）、色トレス、完全版などなど。大久保さんの絵はすごく繊細で、BASARAの絵は本当は大久保さんにしか描けない、とスタッフにも言われてる。線画ほんとに細かく描き込まれてて綺麗でさもありなん…て感じでした。
■音楽について聞かせてください
音楽というか主題歌で、BGMについては特に言及なし。
(監督)
・ゲームの西川さんがハマリ過ぎてて、アニメ化にあたっても小林Pもアニメ側スタッフも「西川さんしかいない」というスタンスで一本釣りにいった
・劇場版はいろんな事情で、OPとEDを別々のアーティストが担当することが多い。でもラストパーリィというからには最後に流れるEDは西川さんしかいない。かといってOPも西川さん以外は考えられない。しょうがないね！となって両方西川さんにお願いすることになった。
・同時に二曲のオファーは西川さんサイドには大きな負担だったと思うが、西川さんサイドもBASARAには大変思い入れがあるのでシナリオを読み込んだ上で、しっかり作りこんできてくれた。
・西川さんをはじめ、作曲・作詞ほか「西川チーム」全体がすごくよくBASARAを理解して作ってくれているので、歌詞にも作品の内容がしっかりと盛り込まれている。
・なので、監督がNGを出したことはない。微調整のみ。
・丸山PはガンダムSEEDを担当していたので、西川さんやキャストの一部とはSEED繋がりがある。
■地方展開について
開場の一番後ろにいたIGの女性スタッフの方が呼ばれてあわあわしながら(予定になかったらしい(笑))前へ。
PowerPointで作ったらしき資料がスクリーンに投影。製作委員会での打ち合わせで使用された検討資料らしいです。
「１．宮城県との様々なタイアップ実績例」「２．長野県上田市との(以下同文)」「３．宮城県復興応援」などなど。バサラ米との売り上げとか、丸山P曰く「生々しい数字」が入ってたようですがそこまではよく見えませんでした(笑)
司会の方がアニメと地域振興というテーマで本を書くに辺り、白石市にも取材に行ったそうですが、そこでもBASARAでかなりの経済効果が上がっているという話を聞いたとか。
「バカなことやってるな〜と思って貰えればそれでいい。もちろん作品自体は真面目に作っているが、楽しんで売りたいので、コラボとかは積極的に取り組んだ」(丸山P)
■最後にひとこと
(監督)
・劇場版はとにかく、希望のある話にしたかった。
・ゲーム３の三成ストの最後が切なかったので、映画は違う風にしようと思った。
・みんな見えないところでも未来がずっと続いていくようなストーリーにしたくて、むとうさんにもそう伝えた。
(丸山P)
・BASARAは頭で考えるより体感する、そういう作品だと思っている
・震災で製作が止まったりして大変だったけど、映画を観て少しでも元気を出して貰えればという気持ちがあった
■質問コーナー
みなさんよく分かってらっしゃる！的な質問が多くて都度場内が沸き立ってました(笑)
�々�田官兵衛や前田家の食卓シーンがカットされたそうですがどんな感じだったのでしょうか？
(監督)
・官兵衛はコンテ上は存在、カットもあったし色デザインなども勿論出来ていた
・切りたくないね、とむとうさんと言ってたけどだんだんそうも言っていられなくなって、「…いなくても大丈夫じゃね？」となって最初に切った(笑)
・とにかく尺が足りなかったので、本筋を最優先にして味付け的なパーツはどんどん削っていった
・実写ならともかく(笑)、一度発表したキャラを「出演しません」とアナウンスすることはそうはないので、怒られるかなと心配だった
・が、蓋を開けてみれば官兵衛の「不幸キャラ」と妙にマッチしてしまい、意外とすんなり流された(笑)
・前田家の食卓シーンは、冒頭の三成登場と対になる家康のシーンだった。
・家康に加え、元親・慶次の紹介も兼ねている大事なシーンだったので、どうしても入れたかくて、ギリギリまで粘って、編集とも何度も協議したがどうしても無理だということになって泣く泣く切った
・絵コンテ・シナリオはあるので、お見せする機会があればとは思うが自分の口からはなんとも言えない。
ここで司会の方が「DVDの特典にしましょう！」と発言、会場拍手の嵐。丸山Pは「やりたいのは山々なんですが色々あって…」ともごもご。司会さんが「期待しておきましょう！」と仕切ってました(笑)
�▲▲縫甓修忘櫃掘▲�プコン側からの要請などはありましたか？
(監督)
・たくさんありました。原作者なので当たり前といえば当たり前の話。
・逆にこちらからいろんな提案や要望を出すこともあって、それをカプコンさんにジャッジしてもらってた。
・一度ダメ出しされたものをIG側が粘ってねじ伏せたシーンもある。
・一番よく覚えているのは政宗が三成との戦いで大打撃を受けてて倒れこむシーン。血が小十郎の顔につくのはNGと言われた。
・血の描写はBASARAでは珍しい(基本的に描かないことになってる)ので、使うからには効果的により痛々しく見せたくて、こちらの意見を通させてもらった
・あとは三成の暮らしてる…かは分かりませんが(笑)、三成がいた菩提寺。
・あそこの秀吉像は当初、「あれ三成が彫ったの？それってちょっとイタい人じゃない？」ってむとうさんにもカプコンにも不評だった(笑)。仁王像をアレンジするとか、史実の秀吉公の甲冑をアレンジするとか色々代案も出た。
・でも三成はそういうキャラだし、いきなり史実の秀吉公の甲冑とか出してもたぶん観ている人分からないし、BASARAなんだからこれくらいのインパクトは欲しい、で最後は押し通した。
��アニバサの参期はありますか？
(丸山P)
・あちこちで何度も言っているけど、一期のときは弐期があると思わず全力投球、弐期のときも映画があるとは思わず全力投球で、毎回「This is the last party」という気持ちでやってもらってきた
・今回も全力投球で、ゲージを使い果たしたので、いまはまだスタッフも僕らも次のことを考えるというムードではない。
・でもイベントなどで歓声を聞いていると、ゲージは回復していく。
・いまはこれしか言えません。
�ぐ豐�で家康と忠勝は死んじゃってたと思うんですが、その辺り弐期以降はどういう扱いになってるんでしょうか？
(丸山P)
・今回来てほしくない質問みっつのうちのひとつです(笑)
・むとうさんには一期１３話で全部描き切ってくれ！と依頼したので、この件に関するすべての責任はプロデューサー側にあります！
・で、この件は、変に説明するのもかえって白けちゃうのでノリと雰囲気で押し切っていいのかなーって(笑)
(監督)
・僕は弐期からなんで、その辺よく知らないんです。(わざとすっとぼけた風に言うので場内爆笑ｗ)
�イ気�ほどの「今回来てほしくない質問」とは？
(丸山P)
・ふたつはすでに出ていて、「参期はあるのか」と「家康死亡のツッコミ」です。
・最後のひとつは、たぶん皆さんも空気読んで下さってると思うんですけど、ここでは言えないので秘密とさせてください。
・三年後くらいには言えると思います。
�Ε押璽爐竜擦�色々と再現されていましたが、どう表現するか苦労された点などありますか？あとオリジナルの技もあったと思うんですが、それについても教えてください。
(監督)
・可能な限り再現したいという思いがスタッフにあって、むとうさんも脚本で細かく指定してきてた。名前つきの技だけではなく、「通常連打の三打目のアレ」とか(笑)
・それを映像化にふさわしいかどうかを監督でジャッジした
・完全に再現するとかえって雰囲気を損ないそうなものは一部だけ抜粋、ということもやった
・映画では、三成が一番再現率が高いと思う。個性的な技が多いし、メインキャラクターでもあったため。
・居合いキャラなので、抜刀の描写方法に非常に苦労した。ゲームをコマ送りにして絵に起こしてみたりもした。
・原画マンごとに噛み砕き方も違って(あえて刀は見せず軌跡だけで表現したり、逆に刀を大量に描くことで表現したり)、個性が出たと思う
・鬱屈(監督、技の名前は思い出せてませんでした(笑))が特に時間がかかった。テストで3〜40テイクくらい出した。
・オリジナル技というのはたぶん政宗のあれだと思うんですけど(笑)
・むとうさんの脚本では「５本の刀から出るビームで固定」とあった。ワタルとかのロボットものでよくそういう倒し方があるんだけど、ロボットならまだしも政宗がそれをやるのはちょっと卑怯っぽくないか、ということでああいう風にアレンジさせてもらった。
・大技感を出す、卑怯感を減らす、大谷に三成の状態が見えやすいようにする、という三点をクリアできた。
================
最後の最後に、お二人からデジタルハリウッドの生徒さんに向けての一言があったんですが力尽きてメモってません、すみません。
たしか監督は「自分のやりたい仕事(たとえば原画)だけじゃなくて、動画とか軽視されがちなことにも目を向けて欲しい、必ず財産になる」というようなことを仰ってたような…。
花束贈呈で〆たあと、10分程度は時間を取れるのでサインとか質問とかしたい人はどうぞーとなったんですが、えらい行列になってしまったので大人しく退散しました。
えっらい長文になってしまいましたが、だいたいこんな感じです。
監督もプロデューサーもひとつひとつ丁寧にお話してくださって、場内の雰囲気も終始和気藹々としていて、とても楽しい一時間半でした。またこういう機会があれば是非参加したいです。
ムックやら雑誌やらで既出の情報もちょこちょこありますが、せっかくメモったので自分の記録も兼ねて書き起こしてみました。脳内補完が多少なりとも入ってますし、ニュアンスの違い等もあると思いますんで、雰囲気だけ掴んで頂ければ。
メモに貼ろうと思ったけど重くて開かないのでとりあえずこちらに。推敲はメモに貼るときに出来たらします…。
長いので畳みます
■会場とか
ロビーからすぐの、少し広めの教室という感じ。3人掛けの机×8列が3島、あと窓際に2人掛けの机が6列で多分満席でした。
最後尾に椅子だけいくつか足されて計90人弱ってところかと。
前方に大きな壁掛けスクリーン、向かって右端に司会の方(デジハリの講師さん)、左に野村監督と丸山プロデューサーという配置。
開場前からずっとBASARAのBGMが流れててなんとなくテンションがあがる(笑)
監督とプロデューサーの入場前に、劇場版の予告映像が流れて、それから拍手でお二人をお出迎えしました。
■まずはそもそものアニメ化について聞かせてください
※このとき「原作のゲーム持っている方どれくらいいますか？」と聞かれて場内ほぼ全員挙手(笑)
（丸山P）
・2008年、丸山PとIGの方が別の案件で居酒屋で打ち合わせをした際、IGの方から「最近なにかアニメ化したい原作とかありますか」と聞かれて「戦国BASARやってみたい」→「ウチもやってみたいと思ってたんです！」で盛り上がり、もともとの打ち合わせの件そっちのけでひたすらBASARAの話で盛り上がった。
・居酒屋で出た仕事話はたいてい翌朝にはなかったことになってるが、今回はそうしたくなくて丸山PからIGへ電話をかけて確認した。
・やはりやりたい！とのことでカプコンに話を持っていくことになった。
■では劇場版については？
（丸山P）
・劇場版は弐期の後半で話が出て、ざっくりした公開予定などを監督に持っていった。
(監督)
・弐期の製作でてんやわんやの時期だったので、劇場版は別班でやるのかと思って最初は他人事みたいに聞いてた(笑)
・でもこの段階で新規の人が入ってやるのはスタッフもその人もきついだろうということになって腹を括った。
（丸山P）
・ラストパーリィと銘打って、アニバサのひとまずの集大成にすると決めたからには、あまりプロデューサー側から注文はつけなかった。IGで"祭"をやってくれればいいと思った・
(監督)
・弐期最終回のV編(最終編集)で予告をつける段になって、「ああほんとにやるんだ…」と思った(笑)
・むとうさんとどういう話にするか打ち合わせ
・キャラが非常に多いのでちゃんとストーリーを作ると膨大な時間になってしまうのは分かってたし、最初のうちは「お祭りだし、天下一武闘会開いてみんなでNo.1決めようぜ！」みたいなノリでいいんじゃね？と話してた。
・でもだんだんそうもいかなくなってきて、改めて問題になったのが弐期で秀吉を政宗が倒してしまったこと。
・そこからゲームの３と違う前提のストーリーをどうやって作っていくかという流れになった。
（丸山P）
・３は分岐するので、「これが公式のストーリー」と言えるものがない。逆にその分アニメでやれる自由度は高く、やりがいはあったと思う。
■映画化で楽しかったことは？
(監督)
・フィルムテスト（２種類作られたフィルムから、色合いなどを見ていい方を選ぶ）など、映画ならではの経験が出来た
・テレビ放映と違って、観ている人の顔・反応を直に確認することが出来る
■ビジネス的なポイントなどは？
（丸山P）
・22スクリーンで2.5億・18万人いった。このスクリーン数では破格の数字で、皆さんに本当に感謝してる。
・並み居る大作を押さえてスクリーンアベレージで1位を取った。
・おかげで長く上映することが出来るようになった。
・絶叫ナイトも大変好評を頂いている
※ここで「絶叫ナイトって？」「あ、説明が必要ですかね」「ていうか行ったことある人いますか？」→大勢挙手の流れ再び(笑)
一応、ということで丸山Pが映画の新しい鑑賞方法で〜と一通り説明。
(監督)
・サイリウムが本当にすごくて、政宗様(何故か様づけ)の六爪で六本持ってるひととか、幸村の武器とか、日輪作ってるひととか、回を重ねるごとにグレードアップしていた
・客として見に行ったら何故か挨拶させられた。・嬉しかったり恥ずかしかったりで汗だくだった(笑)
■実際に使用された素材をいろいろ紹介してください
・映画の原画� �Aパート：三成が政宗のところへ吹っ飛んで来るシーン)
・映画の原画�◆�Fパート：信長が政宗に攻撃されて雄叫び上げるシーン）
・メインビジュアルの原画(天海様の顔を背景にしたさなだて・関ヶ原の絵)
・絵コンテ(原画と同じく、三成が政宗のところへ吹っ飛んで来るシーン)
…を、スクリーンに映し出して主に監督がいろいろと説明してくれました。
まずは原画� ８恐茲鮴照�鉄也さん、作監を黄瀬和哉さん、総作監を大久保さんが担当。端っこで死んだ振りしてるもがみんを監督がいちいち「あ、ここに最上がいますね」と言うのがちょっと面白かった(笑)
三成の目がドアップになるカットが、西尾さん原画(ぎょろ目でちょっとコミカルぽい)→黄瀬さんの修正(目が細くなってだいぶかっこよさげ)→大久保さんの修正(目と口あたりに微修正でさらにかっこよく)と時系列で変わってゆくのを通して見せて貰いました。はーなるほどー…て感じで面白かった！ちなみに黄瀬さんは超ベテランなので、黄瀬さん担当のところは大久保さんも殆ど手を入れてないとか。監督は時間的な問題で、作画についてはラッシュ時点までは各パートの演出担当にチェックを任せ、ご自身はラッシュ上がってからのチェックのみ行ったそうです。
それから絵コンテの紹介。原画�，汎韻献掘璽鵝Ｅ�初は4秒18コマが修正後、22コマに変更。
今回はほんとに作画に力が入ってて、中割りもあまりなくて、原画の量が非常に多く、２センチくらい厚みがあったと監督談。
それにしてもこの絵コンテ、かなりしっかり描き込みがしてあって、「早くそれをそのまま本にするんだ…！」と心のなかで叫びました。
次に原画�◆４篤弔桓�身が原画を担当されたシーン。マントとか髪がぶわーっとなるシーンなので、なびきとかブレだけを描き出した原画もありました。光で処理してあまりくっきり見えなくなるシーンなので…とちょっと照れくさそうだった監督(笑)
あまり時間かけない方だそうで、所要日数はレイアウト2日・原画2日。ちなみに西尾さんはだいたい4〜5日くらいかけるそうです。
今回は本当に時間がなかったので、監督も動画やら貼り込みやら出来ることはなんでもやったとのこと。
最後にメインビジュアル。大久保さんの線画（さなだてと関ヶ原は別パーツだった）、色トレス、完全版などなど。大久保さんの絵はすごく繊細で、BASARAの絵は本当は大久保さんにしか描けない、とスタッフにも言われてる。線画ほんとに細かく描き込まれてて綺麗でさもありなん…て感じでした。
■音楽について聞かせてください
音楽というか主題歌で、BGMについては特に言及なし。
(監督)
・ゲームの西川さんがハマリ過ぎてて、アニメ化にあたっても小林Pもアニメ側スタッフも「西川さんしかいない」というスタンスで一本釣りにいった
・劇場版はいろんな事情で、OPとEDを別々のアーティストが担当することが多い。でもラストパーリィというからには最後に流れるEDは西川さんしかいない。かといってOPも西川さん以外は考えられない。しょうがないね！となって両方西川さんにお願いすることになった。
・同時に二曲のオファーは西川さんサイドには大きな負担だったと思うが、西川さんサイドもBASARAには大変思い入れがあるのでシナリオを読み込んだ上で、しっかり作りこんできてくれた。
・西川さんをはじめ、作曲・作詞ほか「西川チーム」全体がすごくよくBASARAを理解して作ってくれているので、歌詞にも作品の内容がしっかりと盛り込まれている。
・なので、監督がNGを出したことはない。微調整のみ。
・丸山PはガンダムSEEDを担当していたので、西川さんやキャストの一部とはSEED繋がりがある。
■地方展開について
開場の一番後ろにいたIGの女性スタッフの方が呼ばれてあわあわしながら(予定になかったらしい(笑))前へ。
PowerPointで作ったらしき資料がスクリーンに投影。製作委員会での打ち合わせで使用された検討資料らしいです。
「１．宮城県との様々なタイアップ実績例」「２．長野県上田市との(以下同文)」「３．宮城県復興応援」などなど。バサラ米との売り上げとか、丸山P曰く「生々しい数字」が入ってたようですがそこまではよく見えませんでした(笑)
司会の方がアニメと地域振興というテーマで本を書くに辺り、白石市にも取材に行ったそうですが、そこでもBASARAでかなりの経済効果が上がっているという話を聞いたとか。
「バカなことやってるな〜と思って貰えればそれでいい。もちろん作品自体は真面目に作っているが、楽しんで売りたいので、コラボとかは積極的に取り組んだ」(丸山P)
■最後にひとこと
(監督)
・劇場版はとにかく、希望のある話にしたかった。
・ゲーム３の三成ストの最後が切なかったので、映画は違う風にしようと思った。
・みんな見えないところでも未来がずっと続いていくようなストーリーにしたくて、むとうさんにもそう伝えた。
(丸山P)
・BASARAは頭で考えるより体感する、そういう作品だと思っている
・震災で製作が止まったりして大変だったけど、映画を観て少しでも元気を出して貰えればという気持ちがあった
■質問コーナー
みなさんよく分かってらっしゃる！的な質問が多くて都度場内が沸き立ってました(笑)
�々�田官兵衛や前田家の食卓シーンがカットされたそうですがどんな感じだったのでしょうか？
(監督)
・官兵衛はコンテ上は存在、カットもあったし色デザインなども勿論出来ていた
・切りたくないね、とむとうさんと言ってたけどだんだんそうも言っていられなくなって、「…いなくても大丈夫じゃね？」となって最初に切った(笑)
・とにかく尺が足りなかったので、本筋を最優先にして味付け的なパーツはどんどん削っていった
・実写ならともかく(笑)、一度発表したキャラを「出演しません」とアナウンスすることはそうはないので、怒られるかなと心配だった
・が、蓋を開けてみれば官兵衛の「不幸キャラ」と妙にマッチしてしまい、意外とすんなり流された(笑)
・前田家の食卓シーンは、冒頭の三成登場と対になる家康のシーンだった。
・家康に加え、元親・慶次の紹介も兼ねている大事なシーンだったので、どうしても入れたかくて、ギリギリまで粘って、編集とも何度も協議したがどうしても無理だということになって泣く泣く切った
・絵コンテ・シナリオはあるので、お見せする機会があればとは思うが自分の口からはなんとも言えない。
ここで司会の方が「DVDの特典にしましょう！」と発言、会場拍手の嵐。丸山Pは「やりたいのは山々なんですが色々あって…」ともごもご。司会さんが「期待しておきましょう！」と仕切ってました(笑)
�▲▲縫甓修忘櫃掘▲�プコン側からの要請などはありましたか？
(監督)
・たくさんありました。原作者なので当たり前といえば当たり前の話。
・逆にこちらからいろんな提案や要望を出すこともあって、それをカプコンさんにジャッジしてもらってた。
・一度ダメ出しされたものをIG側が粘ってねじ伏せたシーンもある。
・一番よく覚えているのは政宗が三成との戦いで大打撃を受けてて倒れこむシーン。血が小十郎の顔につくのはNGと言われた。
・血の描写はBASARAでは珍しい(基本的に描かないことになってる)ので、使うからには効果的により痛々しく見せたくて、こちらの意見を通させてもらった
・あとは三成の暮らしてる…かは分かりませんが(笑)、三成がいた菩提寺。
・あそこの秀吉像は当初、「あれ三成が彫ったの？それってちょっとイタい人じゃない？」ってむとうさんにもカプコンにも不評だった(笑)。仁王像をアレンジするとか、史実の秀吉公の甲冑をアレンジするとか色々代案も出た。
・でも三成はそういうキャラだし、いきなり史実の秀吉公の甲冑とか出してもたぶん観ている人分からないし、BASARAなんだからこれくらいのインパクトは欲しい、で最後は押し通した。
��アニバサの参期はありますか？
(丸山P)
・あちこちで何度も言っているけど、一期のときは弐期があると思わず全力投球、弐期のときも映画があるとは思わず全力投球で、毎回「This is the last party」という気持ちでやってもらってきた
・今回も全力投球で、ゲージを使い果たしたので、いまはまだスタッフも僕らも次のことを考えるというムードではない。
・でもイベントなどで歓声を聞いていると、ゲージは回復していく。
・いまはこれしか言えません。
�ぐ豐�で家康と忠勝は死んじゃってたと思うんですが、その辺り弐期以降はどういう扱いになってるんでしょうか？
(丸山P)
・今回来てほしくない質問みっつのうちのひとつです(笑)
・むとうさんには一期１３話で全部描き切ってくれ！と依頼したので、この件に関するすべての責任はプロデューサー側にあります！
・で、この件は、変に説明するのもかえって白けちゃうのでノリと雰囲気で押し切っていいのかなーって(笑)
(監督)
・僕は弐期からなんで、その辺よく知らないんです。(わざとすっとぼけた風に言うので場内爆笑ｗ)
�イ気�ほどの「今回来てほしくない質問」とは？
(丸山P)
・ふたつはすでに出ていて、「参期はあるのか」と「家康死亡のツッコミ」です。
・最後のひとつは、たぶん皆さんも空気読んで下さってると思うんですけど、ここでは言えないので秘密とさせてください。
・三年後くらいには言えると思います。
�Ε押璽爐竜擦�色々と再現されていましたが、どう表現するか苦労された点などありますか？あとオリジナルの技もあったと思うんですが、それについても教えてください。
(監督)
・可能な限り再現したいという思いがスタッフにあって、むとうさんも脚本で細かく指定してきてた。名前つきの技だけではなく、「通常連打の三打目のアレ」とか(笑)
・それを映像化にふさわしいかどうかを監督でジャッジした
・完全に再現するとかえって雰囲気を損ないそうなものは一部だけ抜粋、ということもやった
・映画では、三成が一番再現率が高いと思う。個性的な技が多いし、メインキャラクターでもあったため。
・居合いキャラなので、抜刀の描写方法に非常に苦労した。ゲームをコマ送りにして絵に起こしてみたりもした。
・原画マンごとに噛み砕き方も違って(あえて刀は見せず軌跡だけで表現したり、逆に刀を大量に描くことで表現したり)、個性が出たと思う
・鬱屈(監督、技の名前は思い出せてませんでした(笑))が特に時間がかかった。テストで3〜40テイクくらい出した。
・オリジナル技というのはたぶん政宗のあれだと思うんですけど(笑)
・むとうさんの脚本では「５本の刀から出るビームで固定」とあった。ワタルとかのロボットものでよくそういう倒し方があるんだけど、ロボットならまだしも政宗がそれをやるのはちょっと卑怯っぽくないか、ということでああいう風にアレンジさせてもらった。
・大技感を出す、卑怯感を減らす、大谷に三成の状態が見えやすいようにする、という三点をクリアできた。
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最後の最後に、お二人からデジタルハリウッドの生徒さんに向けての一言があったんですが力尽きてメモってません、すみません。
たしか監督は「自分のやりたい仕事(たとえば原画)だけじゃなくて、動画とか軽視されがちなことにも目を向けて欲しい、必ず財産になる」というようなことを仰ってたような…。
花束贈呈で〆たあと、10分程度は時間を取れるのでサインとか質問とかしたい人はどうぞーとなったんですが、えらい行列になってしまったので大人しく退散しました。
えっらい長文になってしまいましたが、だいたいこんな感じです。
監督もプロデューサーもひとつひとつ丁寧にお話してくださって、場内の雰囲気も終始和気藹々としていて、とても楽しい一時間半でした。またこういう機会があれば是非参加したいです。
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